Tomoblog

オーストラリアに留学する大学生

【感想レビュー】僕はきっとやさしい(※ネタバレ含みます)

皆さんこんにちは。

ともです。

 

今回は第160回新芥川賞作家町屋良平さんの最新刊「ぼくはきっとやさしい」のレビューをしていきたいと思います。

 

f:id:tmpblog:20190305175344j:plain

目次

 

あらすじ

好きになってしまえば見境がなくなる男メンヘラ岳文。

彼はさまざまな女性と出会い、恋に落ちていく。

恋に落ちるのはいつも一瞬、そして全力ー。

無気力系男子・岳文、ピュアで無謀な恋愛小説!

岳文と冬美

冬美は岳文の高校の同級生で大学も同じ女性です。

 

岳文は彼女が同じ大学ということを知り、恋に落ちます。

しかし彼女に話しかけることもないまま、日々を過ごしてました。

 

そんなある日、岳文は後の親友照雪と出会います。

 

その後、岳文は冬美に接近することもなく、好きの気持ちが高ぶって、目すら合わせれなくなっていました。

 

三カ月ぐらいその状態が続いた挙句、ろくに挨拶をすることもなく、爆発しそうな思いが高じて告白したら、あっさりOKされます。

 

そこから二人は付き合いだしますが、弾む話もなく、沈黙が多くなります。

 

岳文はその気まずさから、照雪を紹介し、三人で野球を見に行きます。

その結果、会話も弾み、冬美も楽しそうに笑顔を見せます。

その後、デートを重ねますが基本は沈黙。

 

ある日、岳文は冬美と夜の海へと出かけます。

そこで彼女に「照雪くんのことが好きかも」と伝えられ、

「もうあなたのことが好きじゃない」と言われ、

海に落とされます。

 

冬美と照雪は恋人関係になっていて、照雪も岳文に「彼女のことがどうしても好きだ」

と伝えられます。

 

岳文は照雪に怒りを覚えましたが、何をしたらいいのかわからず、そのまま立ち去りました。

 

 

正直個人的な感想でいうと、岳文が振られるのは普通の流れだと思います。

だって、沈黙が基本って。笑

 

私も同じような経験があります。

私自身、トーク力に自信がなく、二人になると話が弾まなくなることがよくあります。

それによって相手に気を使わせ、疲れさせてしましました。

 

話すということはコミュニケーションの基本です。

 

無理に話そうとして自分が疲弊してしまうのはよくありませんが、

話そうとしないのも問題ありすぎです。

 

この後、冬美と照雪も別れ、岳文と照雪はふたりで旅行に行くことになるのですが、岳文はまた同じことを繰り返してしますのです。

岳文とセリナ

岳文は照雪との旅行中ある女性と出会います。

 

彼女は香港出身のセリナという女性でした。

 

岳文は彼女と話しているうちに打ち解けあい、恋に落ちます。

しかし、そんな時でも半年以上前に別れた冬美が頭をよぎります。

 

照雪には「この子と行動したいから別行動でいい?」と言い、

別行動をすることになります。

 

セリナとの会話は前回の事例と同様、基本は沈黙。

さらにお互いにたどたどしい英語でしかコミュニケーションが取れないので、

会話が多くなることはありませんでした。

 

ある日彼女と二人で夜を明かすことになりますが、縮こまってしまい、セリナに謝ります。

しかしセリナは「私は男らしさよりも優しさを優先する」と言ってくれます。

 

ここまではまだ良好な二人の関係ですが分岐点を迎えます。

 

その夜が明けた後、セリナが「ガンジスに行きたい」と言い、ガンジスに行くことになります。

 

川を渡るためのボートに腰を掛け岳文はセリナに冬美のことを話します。

「セリナのおかげで彼女を忘れられそうだ」

岳文はその直後また水の中へ落されました。

 

 

この場面からもわかる通り、冬美にかなりの未練、思い残しがあるようですね。

さすがは男メンヘラ。

 

岳文と弟

 岳文には年子の兄弟海斗がいます。

 

彼は23歳という年齢で結婚をすると言い出します。

その相手は岳文よりもふたつ年上の女性で心佳という子でした。

 

その後、心佳と話し岳文は恋心を抱き始めました。

 

そして、場面は心佳の最寄り駅。

岳文は心佳に会い、好きだといいました。

 

岳文は弁護士を介して弟から心佳に近づくな、付きまとうなと言われた文書が送られます。

 

岳文は弟との間にも亀裂を入れてしまいました。

母親からも見放され、孤独になったのです。

 

 

男メンヘラの本領発揮ですね。

 

こいつやばいな。と思う反面、

見境がなくなるまでに全力で恋する岳文には何か心が動かされます。

照雪、弟の関係

照雪とはその後、居候させてもらったり、もとの仲のいい関係に戻ります。

弟に関しても弟のほうから戻ってきて関係を戻します。

 

このことからわかることは、

家族との絆、真の友情は何があっても切れることはない

ということです。

 

総評(まとめ)

ここまで物語を順に追ってきましたが、

何か不思議な空気感で物語は進んでいきました。

 

主人公岳文は男メンヘラというのにふさわしく、

女性からも遠ざかって行かれる性格、行動なのですが、

何か共感できる部分はありました。

 

もちろん、岳文のように行動に移すことはないですが、気持ち的な部分でどうしようもなく好きでというところはすごく共感できました。

 

これは私の持論なのですが、

””好きになってしまえば、年齢、人間関係は関係がない。””

と思っています。

 

この物語でもそのような岳文の気持ちが随所で伝わってきました。

 

正直この物語は好き嫌いがとても別れると思います。

個人的には面白い内容でしたが皆さんはいかがでしょうか。

 

よろしければ、コメントで教えてください!

まだ読んでない人は是非一度読んでみてくださいね!

 

それではまた。